顧客に営業をアプローチする上で重要な存在となるのが、商談のキーマンや決裁者です。
どんなに素晴らしい提案内容でもキーマンや決裁者を無視して商談すると、商談が振り出しに戻ったり、失注や競合に負けてしまう場合があります。
商談で重要となるキーマンの探し方や決裁者に会う方法の体得はトップ営業には欠かせない営業ノウハウといえます。
今回は「トップ営業のキーマンの探し方!決裁者に会う方法」と題してお送りします。
Contents
トップ営業のキーマンの探し方
『隠れたキーマンを探せ!データが解明した 最新B2B営業法内で紹介されている、BtoBにおける購買関与者の7つの性格分類。「あのお客さんはこのタイプだな」と思い浮かべながら見ると面白い。 pic.twitter.com/pkP22krRTB
— sogitani / baigie inc. (@sogitani_baigie) August 22, 2022
営業が商談の成約率を向上させるためには「キーマンの探し方」を習得しておくことはとても重要になります。
商談において、キーマンを探す重要性とトップ営業が実際に行っているキーマンの探し方を紹介していきます。
キーマンを探す重要性
商談を進めていってクロージングに入った段階で、担当者から「関係区と相談して検討します」などと言われ、結論が中々出なくなった経験はないでしょうか?
私も過去に、いつも会っている担当者と進めていた商談で結論が出なくなり、担当者も知らない間に別ルートで他社から導入されてしまった経験がありました。
商談失敗の原因は「商談のキーマン」を間違っていたことです。
商談内容によってキーマンは変わります。
営業マンにとって、いつも会ってくれる担当者は「とても有り難い存在」ですが、「全ての商談のキーマンではない」ということを理解しておきましょう。
商品の特性でキーマンを想定する
キーマンの探し方として、提案する商品の特性から考えることができます。
- 提案商品導入でメリットが発生する部や人物
- 提案商品導入でデメリットが発生する部や人物
- 提案商品導入によるコストの増減
メリットがある部や人物がキーマンとなる可能性が高く、目が行きやすいでしょう。
ですが、デメリットが発生する部や人物への説得や相談をおろそかにすると、「導入反対のキーマン」となりうる場合もあります。
また、導入にかかるコストの増減によって、決裁権を持つ人物がキーマンになる場合もありえます。
提案商品の特性(メリット・デメリット・コスト)からキーマンを想定し、アプローチすることが重要です。
過去の事例からキーマンを想定する
キーマンを想定する場合、過去の導入事例からも想定することができます。
自身や同僚が成功した、過去の提案商品の導入事例を元にキーマンを探します。
顧客規模によりキーマンの人数は変わるかも知れませんが、導入ポイントに関わるキーマンは大きく変わらない場合が多いので、過去の成功事例を参考にしてみましょう。
担当者にキーマンの紹介や同席をお願いする
キーマンが想定できたとしても、窓口担当者も無視はできません。
担当者に概要提案を行い、提案商品の該当部門キーマンを紹介、もしくは同席をお願いすることで、担当者のメンツを潰さず、キーマンと面談することができる可能性が上がります。
注意!キーマンが決裁者とは限らない
キーマンと商談できたとしても、キーマンが決裁権をもっているとは限りません。
キーマンが導入に前向きでも、決裁者が違う場合、決裁者の反対にあう場合があります。
逆に、決裁者が導入に前向きでも、実際に商品を使用するキーマンから反対にあう場合もあります。
トップ営業は、キーマンと決裁者の両方に同時にアプローチを行うことで成約率を上げています。
トップ営業が実践する決裁者に会う方法
【キーマンの見極め方】
大企業の決裁権は役員にありますが、
その役員へ繋いでくれるキーマン探しは重要で、
私はこの2軸を見極める基準にしています②の人には騙されがちなので営業は注意しましょう
社内から煙たがられているケースが多いので、
すり寄ってくれるベンダーには好意的になりがち pic.twitter.com/MDTZXvL6h7— 佐藤 亮@エンタープライズセールス (@satoryo23) January 26, 2020
どんなにキーマンへの提案がうまく進んでも、最終的には決裁権を持つ経営層からの了承がもらえなければ、成約となる確率は下がります。
決裁権を持つ方が、キーマンとは別の場合、決裁者に会うことが難しく商談が進まないという悩みもあるでしょう。
ここからはトップ営業が実践する決裁者に会う方法について紹介します。
決裁権を持つ経営層が考えること
多くの場合、決裁権を持つ方は、企業の経営層の方が多いでしょう。
企業の経営層が商品導入を検討する場合に考える最重要課題は「費用対効果」になります。
提案商品を導入することでの「生産性の向上」や「自社の売上拡大」、「導入にかかる費用」など会社全体での導入メリットに注目します。
決裁者に稟議を上げるキーマンが思うこと
キーマンに決裁権がなかった場合、当然ですが決裁権のある上司に稟議を上げることになります。
その際、キーマンが思うことは稟議内容である「提案商品の導入による費用対効果」です。
費用対効果を説明して、決裁者を納得させることがキーマンにとっての課題になります。
キーマンは稟議内容を思案することが想定できます。
トップ営業は決裁者へのお土産を用意する
トップ営業は、キーマンが決裁者へ上げる稟議内容に役立つ「お土産」を用意します。
提案商品の導入にあたり、キーマンは決裁者に、費用対効果について説明しなければなりません。
その際、キーマンに「費用対効果」に対する説明資料を用意してあげましょう。
お土産(資料)により、キーマンからの評価も上がり、決裁者への詳細説明の為に、同席をお願いされる可能性が格段にあがります。
決裁者が喜ぶ情報をキーマンに教えてもらう
提案商品をキーマンから稟議上げしてもらえる関係であれば、キーマンや担当者から決裁者が喜びそうな情報収集をしておきましょう。
企業内には様々な課題があり、キーマンや担当者は、決裁者である経営層から日常の中で、課題解決を求められている場合があります。
課題解決に役立つ情報を提供することは、キーマンにとっても経営層からの評価を受けやすい情報となるので、積極的に協力してくれる可能性が高くなります。
キーマンが会わせたい、決裁者が会いたいと思う営業
顧客は、商品が欲しいのではなく、何かしらの課題を解決するために商品が必要かを判断します。
経営層が持つ課題、キーマンが持つ課題、担当者が持つ課題と、課題は立場によって微妙に変化します。
顧客内のそれぞれの立場に沿った情報を提供することで、キーマンや決裁者に会える確率を高めることができます。
まとめ
駆け出し営業に「担当者が買うと言っているのに何で決裁者に会う必要があるんですか」と聞かれたことがあった。「車を買いに来た若い娘にお金は誰が出すか確認するよね?親が出すなら親の意見も聞くべきだし、パパが出すならもっと高い車売れるかもしれないよね」と言ったらめちゃめちゃ腑に落ちてた。 pic.twitter.com/hl0WNsDAc8
— オバタ🌟技術営業養成コーチ (@eijiobata) May 10, 2021
営業の成約率を上げるには、担当者だけでなく、キーマンや決裁者と面談できるかが重要です。
トップ営業は、商談のキーマンの探し方や決裁者と会う方法にも工夫をしています。
いつも会っている窓口担当者だけでなく、提案する商品特性や過去の導入事例を参考に、適切なキーマンと商談することで、成約率を高めることができます。
また、決裁者、キーマン、担当者ごとに違った課題があることを意識して、情報提供することで「この営業に会ってみたい」と思ってもらえる営業を目指してみてはどうでしょうか?
今回は「トップ営業のキーマンの探し方!決裁者に会う方法」と題してお送りしました。